こんにちは、元塾講師・現プロ家庭教師のひかるです。

塾講師を辞めたい…
退職する前にやっておくべきことって何かある?
「退職するときって何をすればいいのかよくわからない…」という人も多いですよね。
円満退社であれ、不満があって辞める場合であれ、退職は大変です…
今回の記事では、
- 塾講師の退職の流れ
- 退職届の書き方
- 塾講師が退職するときにやっておきたいこと
- 引き止められたらどうするか
- もし辞めさせてもらえない場合はどうしたらいいか
がわかります。
塾業界・受験業界は、離職率が高く、人の出入りが多いです。
私自身も正社員として勤めた塾を退職した身です。
その体験や知り合いの塾講師の話も交えて解説します!
【塾講師】退職の流れ

まず、塾講師を辞める流れをざっくりと確認していきましょう。
塾講師の退職の流れは…
- 会社に退職の意思を伝える
- 退職届を提出する
- 授業・業務の引継ぎをする
- あいさつ回りをする
- 私物を持ち帰る・会社の物を返す
- 必要書類を受け取る
の主に6つです。
1つ1つ見ていきましょう。
会社に退職の意思を伝える
まずは「退職を考えています」と伝えなければなりません。
伝える相手は、直属の上司になります。
教室で講師として働いている場合には、その教室の教室長に伝えます。
教室長が退職する場合には、その上のエリアマネージャーや幹部社員に伝えることになります。

緊張するやん…
他の社員の前でいきなり退職を切り出すわけにもいきません。
応接室や使っていない教室などで、上司に伝えるといいでしょう。
辞める理由は、正直に言える場合には、正直に伝えます。
- 親の介護のため
- 結婚
- 自分・配偶者の妊娠・出産
- 配偶者の転勤
などですね。
ただ、同じ塾業界・受験業界に転職する場合には、正直に伝えにくいものです…
その場合には、「家業を継ぐ」、「別の業界の仕事を探す」などと差し障りのない理由にするといいでしょう。

狭い業界なので、後でバレる可能性は高いですが
私自身は体調を崩していて、上司もそれがわかっていたので、正直に伝えました。
「これからどうするのか」、「体調が良くなったら戻ってきたらいい」と親身になってくれました。
良い会社・良い上司の場合には、引き止めつつも退職後のことを心配し、応援してくれるでしょう。
※塾講師の退職する理由については、こちらの記事もどうぞ↓
退職を伝えるタイミングに注意する
退職の2週間前には、その意思を会社に伝えることが必要だと民法に書かれています。
(期間の定めのない雇用の解約の申入れ)
第六百二十七条 当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。
民法627条
ただ、「いつでも解約の申入れをすることができる」とはいえ、退職を願い出るタイミングには気を付けた方が良いしょう。
塾業界・受験業界で働いている人が、退職の意思を伝えるのは…
年度末・受験後・学年がわり
がベターです。
年度替わりのタイミングで伝えることで、
- 講師が変更になっても子どもたち・保護者に対して不自然ではない
- 次の講師にも自然に引き継げる
- 転職後に年度はじめから働ける
というメリットがあります。
一方、年度の途中に伝えると、
といったデメリットがあります。
もちろん会社側にとっては、どのタイミングであっても社員の退職は痛手です。
時間割や講師の配置を組み替えなければなりません。
※退職の意思を伝えるタイミングについて詳しくはこちらの記事もどうぞ↓
退職届を提出する
正式に退職届を提出します。
「退職届」は、
会社側が退職を承認し、退職が決まったときに提出する正式書類
です。
ですので、退職届が受理されてしまうと、後戻りはできないので注意しましょう。
会社によっては、退職届の指定の書式がある場合があります。
その場合には、会社指定の用紙に記入して提出します。
特に指定がない場合には、次のようにまとめるのが一般的です。
退職届
私儀
このたび、一身上の都合により、令和7年3月31日をもって退職いたします。
令和7年2月28日
大阪校
隣野 斗戸呂(押印)
株式会社タラレバヤラネバ
代表取締役 藤川ひかる殿
有給休暇を消化するよう話がついている場合には、次のように書き加えておいてもいいでしょう。
「また、令和7年3月17日から令和7年3月31日迄の、土日祝を除く10日間の年次有給休暇を申請させていただきたく存じます。何卒、ご了承のほど、宜しくお願いいたします。」

塾講師って、有給休暇を使いにくいから、みんな溜まってるやん
授業・業務の引継ぎをする
最終勤務日までに、仕事の引継ぎを進ます。
塾講師の場合には、何より授業の引継ぎが必要ですね。
- 授業の進度
- 生徒の成績・課題
- 気を付けるべき保護者
- クラスの懸案事項
などをまとめておくといいでしょう。
後任が決まっている場合には、直接伝えるといいですね。
授業以外の業務を持っている場合には、その業務の引継ぎもしなければなりません。
マニュアル化が必要な場合には、手間取ることもあります。
あいさつ回りをする
お世話になった人に、あいさつをします。
引継ぎの際に、あわせてあいさつもしておくと効率的です。
会社としては大々的に辞められると困るので、ひっそりとあいさつするのが良いですね。
子どもたちや保護者に伝えるかどうかは、会社によります。
講師が別の塾に転職する場合、生徒の引き抜きなどがあってはいけないので、退職を隠す塾も多いでしょう。
私物を持ち帰る・会社の物を返す
会社で使っていた私物については、少しずつ持ち帰っておきます。
一方、会社から借りていたものについては返します。
自分が使っていたデスクやパソコンは片づけておきたいですね。
「立つ鳥跡を濁さず」です!
と言いながら、私は体調が悪くなって退職したので、他の社員に片づけてもらっています…

本当にご迷惑をおかけしました…
必要書類を受け取る
辞める前に必要書類を会社から受け取っておきましょう。
- 退職証明書
- 源泉徴収票
- 雇用保険被保険者証
- 離職票(失業手当を受給する場合)
- 年金手帳(会社が保管している場合)
などが、退職時に受け取る書類です。
「退職証明書」は、転職先に提出を求められることがあります。
年内に転職する場合には、「源泉徴収票」を転職先に提出します。
年をまたぐ場合には、自分で確定申告をしなければなりません。。
そのときに、源泉徴収票が必要となります。

うわ…確定申告か…
会社では経理や総務が、年末調整をやってくれててんけどな…
「雇用保険被保険者証」も、転職先に提出する書類です。
「離職票」は、失業手当(失業給付金)を申請するときにはハローワークに提出します。
スムーズに辞められるように、勤務最終日までに計画的に進めましょう。
【塾講師】退職を引き止められたらどうする?

退職の意思を上司に伝えたとき、ほとんどの場合、引き止められます。
社員がいなくなることは、会社にとっては痛手です。
また、自分の部下が退職すると、管理職・マネージャー職として自身の責任が問われる可能性があります。
もちろん親切心から引き止めてくれることもあるでしょう。
では、退職を引き止められたらどうすればいいのでしょうか?
退職を引き止められたら、
「辞める」という強い意志を示す
ようにしましょう。
少しでもあいまいな態度を見せると、ますます辞めさせてもらえなくなります。
- 業務の負担を軽くしようか
- 別の教室に配属しようか
- 役職をいったん降りようか
など、会社側もいろいろ提案してくるのので、気持ちが揺らぐこともあるかもしれません。
ただ、一度「辞める」と言い出したのに、そのあと会社に居残りにくいですよね…
気持ちが揺らぐということは、まだ自分の中で退職の決意が固まっていなかったということ。
きっちりと退職する決意が固まってから伝え、何を提案されても「辞める」という強い気持ちで対応することが最短で辞めるコツです。

会社に対して愛着や申し訳ない気持ちもあるかもしれませんが、意思表示ははっきりと!
※塾講師におすすめの転職エージェントをまとめた記事はこちら↓
【塾講師】もし辞めさせてもらえない場合はどうする?

退職の意思をしっかりと伝えているのに、それでも辞めさせてもらえないこともあります。
でも、会社を辞める権利は、民法で認められています。
【原則】労働者は自分の意思で自由に退職できる
労働者には、会社との労働契約を解除する自由、すなわち「退職する自由」が民法で認められています。(中略)
退職したいのにできない…強引な引き止めが違法になるケースと対処法 | リーガライフラボ
いわゆる正社員や無期契約社員は、期間の定めのない労働契約(無期雇用契約)を結んでいます。期間の定めのない労働契約を結んでいる場合には、2週間前に退職の意思を告げることで、労働者は理由を問わず退職することができます(民法627条1項)。
つまり、「退職する自由」があるんですね。
強引な引き止めは違法になる可能性もあるのに、なかなか辞めさせようとしない会社はけっこう多いです。
実際、私の知り合いが辞めるとき、退職を伝えた上司とは違う上司と、何度も面談させられたそうです。
世の中には部下から伝えられた退職願を、聞かなかったことにする上司もいるとか…
では、そういう会社と、どうやってお別れすればいいのでしょうか?
「退職代行サービス」使って辞めるという方法があります。
「退職代行」はその名の通り、
依頼者にかわって、会社に退職の意思を伝えるサービス
です。
退職代行を利用すると、依頼者は自分の会社と連絡を取る必要がありません。
さきほど、私物を持ち帰ったり、会社の物を返したり、書類を受け取ったりする必要があると書きましたが、退職代行を利用したら郵送で行うことになります。
退職代行モームリなどはメディアに露出しているので、知っている人もいるかもしれません。
※退職代行モームリについての紹介記事はこちら↓
実際に、退職代行を利用して、塾を辞めた人もいます。
もちろん強引に引き止められただけでなく、ハラスメントがあって出勤できなくなったなど、いろいろな理由で退職代行を利用している人は多いようです。
※塾講師が退職代行を利用するときの注意点をまとめた記事はこちらです↓

まとめ:塾講師を辞めるときにやるべきことは?退職の流れを元塾講師が解説!
辞めるときにすべきことをまとめましたが、退職するときってたくさんやることがあります。
上司や同僚にも気を遣うので、精神的にもエネルギーが必要ですよね…
ぜひ計画的に退職の準備をして、みなさんがスムーズに退職できますように。