【就職・転職】働くなら大手塾と中小塾どっち?<元塾講師が解説>

働くなら大手塾か中小塾か 塾講師への就職・転職
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こんにちは、プロ講師のひかるです。

働くなら大手塾と中小規模の塾、どっちがいいの?

そのように悩んでいるかたも多いのではないでしょうか?

塾と言えば、名の知れた大手の塾が思い浮かびますね。

でも、大手塾以外にも、地域密着の中規模・小規模の塾もたくさんあります。

今回の記事では…

  • 大手塾に就職・転職するメリット・デメリット
  • 中小規塾に就職・転職するメリット・デメリット

がわかります。

  • 塾業界で仕事をしてみたいと考えているかた
  • 転職を考えている塾講師のかた

の参考になれば幸いです!

どちらのタイプが自分に合っているのか、考えてみてくださいね。

管理人ひかる
管理人ひかる

元塾講師が解説します

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大手塾に就職・転職するメリット

まずは、大手の塾で働くメリットから見ていきましょう。

大手塾に就職・転職するメリットは…


  1. 年収が高め
  2. 研修制度が整っている
  3. 転職するときに箔がつく

の3つです。

掘り下げてみていきましょう。

※塾講師への就職・転職についてまとめた記事はこちら↓

年収が高め

他の業界と同じように、大手の企業に勤めている方が年収(給与)は高いです。

求人ボックスというサイトが、政府統計をまとめた情報によると、塾講師の平均年収は…

376万円

求人ボックス 給料ナビより引用(2023年10月31日)

となっています。

塾業界全体の平均年収は、残念ながらあまり高くありません。

でも、大手塾なら中小規模の会社に比べると、高い水準になります。

年収500万円を超えるのも早いでしょうし、昇進していけば1,000万円前後まで昇給する企業もあります。

管理人ひかる
管理人ひかる

塾講師は離職率が高いので、年収が上がる前に転職する人も多い…

年収の高さを重視するなら、大手の塾で働いた方がいいでしょう。

また、給与だけでなく、手当や資格取得支援などの福利厚生も充実している会社も多いです。

※塾講師の年収について詳しくはこちらの記事もどうぞ↓

研修制度が整っている

また、大手の会社は、研修制度が整っています。

多くの社員がいて、講師を育てるノウハウを持っています。

大手の塾には、人気と実力がある看板講師がいるものです。

そのようなトップ講師から、授業の知識やテクニックを学べる可能性があるのは、大手企業の強みでしょう。

管理人ひかる
管理人ひかる

指導テクニックは、職人的というか個人技なので、教えたがらない人もけっこういますが

大手なので、未経験の新卒入社からでも、じっくりと育てる余力があります。

また、研修システムだけでなく、会社全体の運営システムが整っていることも多いでしょう。

新卒で就職する大学生にとっては、きちんと研修してもらえる大手塾は魅力的でしょう。

転職するときに箔がつく

1つの会社で勤め続ける時代ではなくなっています。

特に塾業界は、離職率が高い業界だと言われています。

厚生労働省の平成29年度の統計によると…

新規学卒就職者の産業別就職後3年以内離職率のうち離職率の高い上位5産業(大学卒業)

宿泊業・飲食サービス業52.6% 
生活関連サービス業・娯楽業 46.2%
教育・学習支援業45.6% 
小売業39.3%
医療、福祉 38.4%
厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(平成29年3月卒業者の状況)」

となっており、離職率の高い業界として3番目に「教育・学習支援業」が挙がっています。

「教育・学習支援業」には、いわゆる「塾」以外の業態が含まれているとは思いますが、新卒の人たちが辞めてしまっています。

転職するときに、大手塾に勤めていた経験は「強み」になります。

ねこ殿
ねこ殿

大手塾で鍛えられて、実力と経験が備わっていることが前提やけどな

転職先としては、大手塾の情報やノウハウは知りたいものです。

しかも、離職率が高く、常に人手不足の塾業界としては、即戦力は貴重です。

大手塾に勤めていれば、転職のときに「箔がつく」と言えるでしょう。

実業家の本田直之さんは、著書『本田式サバイバル・キャリア術』という本の中で次のように書かれています。

勝ち馬の会社にはレベルの高い人が集まっているという点でも、私は勝ち馬に乗ることをすすめます。レベルの高い人たちと一緒にいると、つられて自分のレベルも上がっていきます

『本田式サバイバル・キャリア術』より引用

単に「箔がつく」といだけでなく、実力もつくということですね。

大手の塾でもまれているうちに、知識やスキルが身についていきます。

※塾業界・受験業界の離職率の高さについては、こちらの記事もどうぞ↓

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大手塾に就職・転職するデメリット

次に、大手の塾で働くデメリットを見ていきましょう。

大手塾に就職・転職するデメリットは…


  1. 社内での競争が激しい
  2. 受け身になると成長が遅くなる
  3. 授業の自由度が低い

の3つだと私は考えています。

もう少しくわしく見ていきましょう。

社内での競争が激しい

まず、他の業界でも同じですが、大手企業は社員数が多いので、入社してから競争が激しいです。

塾の場合には、講師のレベルは、知識や授業テクニックとして比較されます。

中には、天才的に問題が解ける講師や、教えるのが抜群にうまい看板講師もいます。

ねこ殿
ねこ殿

あかん…
こいつには勝たれへん…

さきほど、大手塾という「勝ち馬に乗る」ことで、自分の実力もアップすると書きました。

ただ、実力のある講師たちを前に、自信を失ったり、その他大勢として埋もれてしまったりすることもあり得ます。

また、同期だけでなく、先輩たちも出世の「順番待ち」をしています。

自分に役職がまわってくるまでに、どうしても時間がかかってしまいます

競争が激しい昇進していくのはなかなかハードですよね…

受け身になると成長が遅くなる

さきほど、大手塾は研修システムが比較的に整っていると、書きました。

もちろんていねいに新入社員を育てることはいいことなのですが、逆にデメリットにもなりえます。

というのも、研修が整っている分、「待ち」の姿勢になってしまいがちだからです。

同期意識や年功序列が強い会社では、出る杭は打たれないようにおとなしくしてしまいがち…

管理人ひかる
管理人ひかる

特に日本って「出る杭」は打たれやすいですしね…

また、一流の講師は、自分で教材や授業の研究を続けています。

人から指示を受けなくても、常に自分をアップデートしています。

努力しているというよりも、授業や入試問題・教材の研究が好きなのでしょう。

研修を受けながらも、主体的に取り組まなければ、大企業の大勢から抜け出しにくいでしょう。

また、大手塾は部署が分かれていて、仕事が細分化されていることが多いです。

意識して仕事の幅を広げておかないと、転職をするときに仕事の幅が狭くなってしまうでしょう。

授業の自由度が低い

大手塾の指導カリキュラムは、けっこうガチガチに決まっています。

  • 年間の授業回数
  • 進度
  • 教え方
  • 使用するテキスト
  • 宿題のページ

など、自由度がありません。

というのも、大手塾としては、校舎や担当講師によって、サービス(授業の質)の差があってはいけないからです。

できるだけサービスを「均質化」するために、基本ルールからはみ出してはいけません。

自分で手作りしたプリント教材を配ってはいけない塾もあります。

管理人ひかる
管理人ひかる

授業を均質化しようとしても、うまい講師とそうでない講師はわかっちゃいますけどね

カリキュラムが決まっているので、クラスや生徒たちの実情に合わせて、教材や授業の内容を変えることができず、歯がゆい思いをしている講師も多いものです。

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中小規模塾に就職・転職するメリット

では、あまり規模の大きくない塾で働くメリットは何でしょうか?

中小規模の塾に就職・転職するメリットは…


  1. 早くから役職を任されやすい
  2. 経営陣との距離が近い
  3. 授業の自由度が高い

の3点です。

それぞれ掘り下げて見ていきましょう。

早くから役職を任されやすい

大手塾では競争が激しく、抜きんでて昇進するのは難しいと、さきほど書きました。

一方、中小規模の塾では、ライバルが少ないので、早くから役職を任されることがあります。

また、人手が足りないので、役職や業務を「兼務」することも多いのも特徴です。

ねこ殿
ねこ殿

よく言えば「兼務」、悪く言えば「むちゃぶり」やな

ですので、仕事を覚える意欲があれば、いろいろな業務に携わって、仕事の幅が増えるでしょう。

経営陣との距離が近い

大手企業では、経営陣と直接会って話す機会なんて、なかなかありませんよね。

でも、中小企業なら、経営陣との距離が近いので、直接話すことができます。

自分の意見を直接伝えることもできるでしょう。

管理人ひかる
管理人ひかる

個人塾の場合には、すぐ隣に社長がいることも

大きな会社では、意思決定に時間がかかり、フットワークが重いものです。

でも、小さな会社では、経営陣が考えたことや、社員の意見ですぐに方針転換することが可能です。

授業の自由度が高い

さきほど、大手塾はカリキュラムがガチガチに決まっていると書きました。

一方、中小規模の塾の場合には、授業の自由度が高いことがあります。

メインテキストやカリキュラムは決まっていても、ある程度、講師の裁量に任される会社があります。

  • クラスによって教材を変更する
  • クラスによって進度を変える
  • 自作のプリントで授業する
  • 教え方を変える

などです。

指導方法にこだわりがある人は、中小規模の塾なら、自分のこだわりを発揮しやすいでしょう。

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中小規模塾に就職・転職するデメリット

一方、規模が小さい塾で働くデメリットな何かというと…


  1. 年収が高くない
  2. システムが整っていない
  3. 転職するときにインパクトがない

の3つです。

もう少しくわしく見ていきましょう。

年収が高くない

まず、どの業界でも同じですが、大手ほど年収が高くありません。

さきほど、中小規模の塾は役職を任されるのが早いと書きました。

ですので、若手でも昇進して、役職手当が支給されやすくはなります。

ただ、会社全体として、賃金体系は決まっています。

中小規模の塾だと、どうしても天井が見えてしまい、給与が頭打ちしやすくなります。

ねこ殿
ねこ殿

夢がないやん

また、大手企業に比べると、福利厚生があまり整っていない会社もあります。

システムが整っていない

研修のシステムがあまり整備されていない会社もあります。

マニュアルがなく、「上司の業務を見て学ぶ」という会社も多いでしょう。

授業に関しても、未経験の新人講師をイチから育て上げる研究システムがない場合もあります。

ですので、そういう会社は「経験者優遇」で中途採用を軸に講師を募集しがちです。

管理人ひかる
管理人ひかる

新人を育てる余力はありません

また、事務のシステムがあまり整っていない中小塾も多いです。

手書きの書類や、アナログと変わらないスプレッドシートを使っていることもあります。

さきほどお伝えしたように、講師職をしながら広報や総務を兼務するなど、いろいろな経験が積みやすいのはメリットです。

ただ、システムが整っていない分、「むちゃぶり」は中小企業にありがちですね。

転職するときにインパクトがない

さきほど紹介した通り、大手塾に勤めていると「箔がつく」のでした。

でも、中小規模の塾に勤めている場合、職歴にあまりインパクトがありません。

人事の目に留まりにくいですね…

特に中小規模の塾から大手塾に転職するときには、苦戦するでしょう。

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まとめ:【就職・転職】働くなら大手塾と中小塾どっち?<元塾講師が解説>

新卒なら研修制度が整った大手塾で、まずは基本を身につけるのがベターだと私は思います。

その際、社内で通用するスキルだけでなく、他の塾や独立してからも使える力をつけていくのがおすすめです。

別の塾に転職する場合には、自分の価値観に合った会社を選ぶといいでしょう。

  • 事務が少なく授業に専念できる
  • 給与が高い
  • 休みがしっかり取れる
  • 自分のこだわりが活かせる

など、別の塾で働いたことがあるからこそ、見極めやすくなります。

大手塾も中小規模の塾も一長一短で、良いところもあれば、良くないところもあります。

メリット・デメリットを比較して、納得のいく塾を選んでくださいね!

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