こんにちは、プロ講師のひかるです。
正社員の塾講師の給料って高いの?低いの?
塾に就職・転職したときの給与や年収が、気になる人も多いのではないでしょうか。
今回の記事では…
がわかります。
- 塾業界に就職しようとしている人
- 塾講師として転職している人
におすすめの記事です。
仕事のやりがいは大切ですけど、給料や年収ももちろん大切ですよね。
みなさんの参考になれば幸いです!
元塾講師が解説します
正社員の塾講師の年収はどれくらい?
まず、塾講師(正社員)の年収からチェックしていきましょう。
求人ボックスというサイトが、政府統計をまとめた情報によると、塾講師の平均年収は…
376万円
求人ボックス 給料ナビより引用(2023年10月31日)
となっています。
また、月収や賞与(ボーナス)などについては…
求人ボックス 給料ナビより引用(2023年10月31日)
月給 27.8万円 賞与 42.3万円 年齢 36.0歳 勤続年数 7.7年
となっています。
もちろんあくまで「平均」ですから、さまざまな要素で収入は違ってきます。
塾講師の年収を決める要素としては…
- 企業の規模
- 勤続年数
- 役職
などですね。
企業の規模
他の業界と同じように、規模が大きい会社ほど、基本的には平均給与は高いです。
さきほどの求人ボックスというサイトが、政府の統計をまとめた情報によると…
求人ボックス 給料ナビより引用(2023年10月31日)
企業規模 平均年収 月収 賞与 10~99人 366万円 27.6万円 35.1万円 1000人以上 392万円 28.5万円 50.8万円
となっており、特に賞与(ボーナス)は、会社の規模によって、大きな差があります。
ボーナスのないフリーランス・個人事業主からしたら、あるだけでもうらやましいけどな
勤続年数
また、勤続年数が長いほど、基本的には給料は上がっていきます。
「年功序列」とも言えますが、指導のテクニックがだんだんと磨かれていくので、それが評価されている見ることもできますね。
ただ、塾業界は「離職率」が高いと言われています。
厚生労働省の平成29年度の統計によると…
新規学卒就職者の産業別就職後3年以内離職率のうち離職率の高い上位5産業(大学卒業)
厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(平成29年3月卒業者の状況)」
宿泊業・飲食サービス業 52.6% 生活関連サービス業・娯楽業 46.2% 教育・学習支援業 45.6% 小売業 39.3% 医療、福祉 38.4%
離職率の高い業界として3番目に「教育・学習支援業」が挙がっています。
つまり、塾業界は、1つの企業で勤め続ける人は少ないのが特徴です。
基本的に「経験者優遇」の業界なので、条件の良い企業に転職していく人は多いです。
役職
逆に、1つの会社に勤め続け、昇進して「役職」を得て、昇給していく人ももちろんいます。
塾の場合だと…
- 教室長→エリア長
- 教科の統括→教務部長
というような役職があります。
役職がつくと、年収が500万円以上になりやすいでしょう。
規模の大きな会社なら、年収1,000万円前後の人も出てきます。
塾の中の役職は、一般的な企業とちょっと違いますね
他にも、教材やテストを作成する部門や、企画や広報、人事、経理、総務などの部門で昇進していく人もいます。
あまり規模が大きくない会社の場合、いくつかの部署や役職を兼務することもあります。
ただ、会社によっては「役職定年」があり、50代頃から役職を手放さなければならず、年収が下がっていくことがあります。
さきほどの求人ボックスというサイトが、政府の統計をまとめた情報によると…
求人ボックス 給料ナビより引用(2023年10月31日)
年代 平均年収 月収 賞与 20-24 281万円 21.9万円 18.1万円 25-29 335万円 24.7万円 38.9万円 30-34 367万円 26.9万円 43.7万円 35-39 397万円 28.9万円 50.2万円 40-44 419万円 30.8万円 49.1万円 45-49 440万円 32.4万円 51.6万円 50-54 454万円 33.4万円 53.2万円 55-59 444万円 32.6万円 52.5万円
と、50代後半になると、年収・月収・賞与ともに下がってしまっています。
経営コンサルタントの本田直之さんは、『本田式サバイバル・キャリア術』で次のように書かれています。
「一般的に言えば、30代までは転職すると給料は上がる。40代からは下がる人が多く、50代でははっきりと給与がダウンする」
本田直之『本田式サバイバル・キャリア術』
(『週刊東洋経済』2008年11月22日号)
これはすなわち、同じ会社に勤め続けていようと、転職を何度も重ねようと、「40代からは給料は下がる」という時代のうねりからは逃れられないことを意味します。
年齢が上がっていくと、だんだんと転職するのが難しくなってきます。
会社側も足元を見て、給料を下げてくるということもあるでしょう。
正社員の塾講師が年収を上げる4つの方法
では、正社員の塾講師が、年収を上げていくには、どうすればいいのでしょうか?
塾講師(正社員)が、給料を上げていくには…
- 大手の塾の就職する
- 大手の塾に転職する
- 新しいけれど勢いのある塾に転職する
- 昇進して役職を得る
という4つの方法があります。
掘り下げて見ていきましょう。
あくまで「塾講師として年収を上げる方法」ですので、独立する方法は除きますね
大手の塾に就職する
まず、就職の段階で大手塾に入社する方法です。
さきほどお伝えしたとおり、規模の大きな会社ほど、給与が高い傾向にあります。
ですので、スタートの段階で、大手の塾に就職していれば、年収がアップしていく可能性が高まります。
どの業界でも同じやな
もちろん入社段階では、指導が未経験なので、初任給はそれほど高くはないかもしれません。
しかし、経験を積んでいくと、中小規模の塾よりも、昇給の幅が大きく年収は多くなるでしょう。
また、大手の塾に就職していれば、転職のときに「箔がつく」というメリットもあります。
「大手塾で勤務経験あり」という経歴は、転職のときに役に立つかもしれません。
大手の塾に転職する
他の業界と同じように、大手の企業に転職して、年収を上げる方法もありますね。
特に塾業界は「経験者優遇」です。
転職前の会社での…
- 合格実績
- 役職経験
などが重視されます。
また、選考のときには、学力テストや面接だけでなく、「模擬授業」で授業のスキルもチェックされ、採用基準の1つになることが多いです。
そういう意味では、新卒で大手塾に入社するよりも、ハードルは高いと言えます。
さきほどお伝えした通り、大手塾に勤務していた場合には、転職しやすいことが多いです。
塾は、ライバル塾の情報やノウハウ、腕のいい講師を欲しがっているものです。
逆に、中小規模の塾から、大手の塾に転職するのは、難しい場合があります。
自分のスキルを、選考のときにしっかりとアピールする必要があるでしょう。
私の知り合いで、中規模の塾から大手の塾に転職した人もいます
新しいけれど勢いのある塾に転職する
また、新興の塾に転職するというのも1つの手です。
新しい成長中の会社に入っておくと、その会社が育ったときに、高い階層の役職につけている可能性が高くなります。
勢いのある会社の「勝ち馬に乗る」作戦ですね。
新興国の株式に投資するのに似てるやん
ただ、できたばかりの会社に入社するのは、デメリットもあります。
まだシステムができ上っていないので、授業だけでなく、システムづくりを並行しなければならず、仕事がハードになりがちです。
また、その会社がうまく成長するとは限りません。
競合する塾はたくさんありますから、育つ前に会社がつぶれたり、思うように給料が上がらないといったリスクもあるでしょう。
昇進して役職を得る
堅実に、1つの会社で勤めあげて、年収を上げるのもアリですよね。
さきほど紹介した通り、会社の中で…
- 教室長→エリア長
- 教科の統括→教務部長
というように、昇進して階段を上っていくのが向いている人もいるでしょう。
塾講師は、教える知識とスキルにこだわりを持つ職人気質の人たちが多いです。
ただ、役職につくには、同僚や部下、他の部署にも気を配れる、視野の広さも必要です。
私は20代の頃に国語科の統括をしていましたが、年上の講師たちには気を遣いましたよ…
教科の「スペシャリスト」としてだけでなく、「ゼネラリスト」として仕事ができる人は、昇進しやすいでしょう。
人気講師になると給料は増える?
ここまでの記事を読んで…
看板講師・名物講師になったら、給料増えるんちゃうん?
と感じた人もいるかもしれません。
人気講師になると、給料が上がるのかというと…
会社の人事の評価システムによる
ので、一概には言えません。
多くの塾では、次のようなポイントで査定することが多いでしょう。
もし、看板講師や名物講師になったら、それらの査定で評価が高くなる可能性があります。
その結果、他の社員よりも、給与がアップする可能性が高くなります。
また、結果を出している講師は、さきほど紹介したような役職につきやすくなります。
役職についた結果、年収がアップするという面もあるでしょう。
腕に自信がある人は、フリーランス講師として独立した方が稼げることもあります
ただ、会社からすると、給料のベースは上げにくいものです。
給料を一度上げてしまうと、今度は下げにくいからですよね…
ですので、基本給は上げずに、ボーナスなどに反映させて支給する会社も多いでしょう。
残業代はアテにできる?
また、残業代が気になっている人も多いでしょう。
残業代に関しても…
会社の就業規則による
ので、会社によって違ってきます。
22時退勤なのに、22時まで生徒を居残り指導している塾の場合、絶対に残業になってしまいます。
家に帰るのは、日付が変わってからという塾講師も多いものです。
そんなんやから、ブラックな業界って呼ばれるねんで
また、出勤前や休日に、入試問題を解いたり、授業の準備をしたりすることもあるでしょう。
熱心な講師ほど、準備や研究に熱心なものです。
中には、時間外の分だけ、残業代を支払ってくれる会社もあるかもしれません。
ただ、「定額残業制」をとっている会社も多いと思います。
定額残業制とは…
一定の時間外労働を想定しておき、毎月「固定残業手当」などという形で、一定額を支給する制度
です。
つまり、残業を前提にして、給与を設定しているシステムです。
ですので、就職活動や転職活動をする場合には、給与の金額に「固定残業代」が含まれているのかは、チェックしておきたいですよね。
まとめ:塾講師(正社員)の給料や年収を上げる方法
正社員の塾講師の給料や、年収をアップさせる方法を紹介してきました。
塾講師と言っても、会社に勤めている以上はサラリーマンです。
年収を上げていくには方法は、他の業界のビジネスパーソンとあまり変わりません。
ただ、ここでは、「正社員の塾講師」としての年収の上げ方を紹介しましたが、私のようにフリーランスのプロ講師として独立したり、自分で塾を経営する人もいます。
もちろん塾講師を辞めて、他の業界にチャレンジする方法だってありますよね。
みなさんの仕事選びの参考になれば幸いです!