こんにちは、プロ家庭教師のひかるです。
この記事をお読みのかたは、「プロ家庭教師」という職業に興味をお持ちだと思います。
でも…

プロ家庭教師って、身近にいない…
どうやってプロ家庭教師になればいいの?
とお困りのかたも多いかもしれません。
私自身がプロ家庭教師として独立・開業するときも、同じ気持ちでした。
本屋に行ってみたり、インターネットで検索しても、断片的な情報は出てくるものの、プロ家庭教師になる方法・手順についてのまとまった情報は見つけられませんでした。
なので…

じゃあ、自分で作ったらええやん!
ということで、プロ家庭教師になるステップをまとめてみました。
をまとめた完全版です!
- プロ家庭教師という仕事が気になる…
- 塾講師・予備校講師から転職したい!
- 独立・開業にチャレンジしたい
とお考えの方の参考になれば幸いです。
※長いまとめ記事になりましたので、ブックマークして必要に応じて読んでいただけたらと思います。
プロ家庭教師は自営業

プロ家庭教師になる前に、プロ家庭教師がどんな仕事なのかを確認しておきましょう。
プロ家庭教師は自営業(個人事業主・フリーランス)です。
雇用されている正社員・サラリーマンとは、働き方が違ってきます。
プロ家庭教師になるときには、いわゆる「転職」ではなく、「独立・開業」になりますね。

中には、正社員のプロ家庭教師もいます
家庭教師派遣会社に登録して、生徒を紹介してもらって、指導するというイメージをお持ちではないでしょうか?
基本的にはその通りなのですが、家庭教師会社に雇われているわけではありません。
あくまで家庭教師センターとは「取引相手」という関係です。
複数の家庭教師会社に登録して、掛け持ちするのもOKです。
会社に「雇用」されているわけではなく、案件ごとに契約を結ぶ「業務委託」です。
正社員と違って月給が決まっているわけではなく、指導した時間だけ「報酬」が支払われます。

会社員の「給与」と、どこが違うん?
会社員の場合には、所得税や社会保険料が天引きされて「給与」として支給されますね。
でも、「報酬」は天引きされないので、個人事業主・フリーランスは確定申告をして、自分で税金や社会保険料を支払わなければなりません。
正社員と自営業のどちらが良くて、どちらが良くないというわけでなく、違った働き方だと知っておくことが大切です。
働き方の違いを知ったうえで、転職(独立・開業)した方がいいでしょう。
※塾講師を辞めようと考えているかたは、こちらの記事もご覧ください↓
プロ家庭教師はどんな生活?

身近にプロ家庭教師をやっている人がいないと、どんな生活を送っているのか、イメージが湧きにくいですよね。
基本的には、塾講師・予備校講師と同じで、平日は夕方以降に授業をします。
ただ、塾講師と違って、ご家庭に訪問するので、平日は1日2件が限度です。
子どもたちが学校に通わない土曜・日曜、そして、夏休みなどの長期休暇・入試前は「書き入れ時」です!
1日に3~5件、指導することができます。

個別指導も運営している家庭教師会社もあります。
移動せずに連続して授業できるので効率的です。
また、正社員ではないので、教室の鍵開け・戸締り・会議などは(基本的に)ありません。
ですので、授業以外の時間帯は、完全に「フリー」です。
授業の準備をするのも、遊ぶのも、寝ているのも自由です。
保護者懇談や会議・研修に出席することもありますが、その場合にも報酬が支払われます(支払われない会社は要注意!)。
最近はオンライン家庭教師も増えてきているので、自宅にいながら指導することも可能になりました。
※プロ家庭教師の生活リズムについて詳しくは、こちらの記事をご覧ください↓
プロ家庭教師の時給の相場と年商

プロ家庭教師の「マネー事情」が気になっているかたも多いでしょう。
さきほどお伝えした通り、正社員とは違って決まった月給が支払われるわけではありません。
働いた時間だけ報酬が支払われる「時間給」ですね。
基本的に「時給」で計算されるわけですが、家庭教師センターを通して請け負う場合の時給の相場は…
時給3,000円前後から
です。
時給3000円前後「から」と書きましたが、家庭教師会社、講師の実力・実績、契約方法によって、かなり幅があります。
最難関志望の子を指導できたり、合格実績が豊富だったりする場合には、倍の1時間6000円以上で請け負うことも可能です。

夢があるやん
また、「年間休日」が決まっている正社員とは違って、個人事業主はどれだけ働くかも、自分の裁量です。
たとえば、1日平均15,000円の収入で、300日働くと、
平均15,000円/日 × 300日 = 年商4,500,000円
となります。
年商は「時給×指導時間」でかんたんに計算することができます。
ですので、年商を上げるには、
- 時給を上げる
- 指導時間を長くする
ことが必要ですね。
ただ、家庭教師センターから業務委託される場合、ご家庭が支払った金額の半分近くが、紹介料として会社が回収します。
その残り半分ほどが、講師の報酬となります。
ですので、ご家庭と個人で契約をする場合には、講師の時給とご家庭の払う料金の間くらいに設定するといいでしょう。
たとえば、ご家庭は1時間6,000円支払っていて、会社が3,000円マージンを得て、講師の時給が3,000円だったとします。
その場合、1時間4,500円で設定すれば、ご家庭にとって安く、講師にとっては高く契約できます。

win-winですね
プロ家庭教師の時給を決定するポイントや、年商シミュレーションについては、こちらの記事にまとめています↓
プロ家庭教師になるメリット・デメリット

次に、プロ家庭教師になるメリット・デメリットを見ておきましょう。
プロ家庭教師になるメリットは、何より「自由」であることです。
さきほど紹介した通り、プロ家庭教師は自営業ですので、自由にビジネスができます。
私がプロ家庭教師になって良かったと感じた点は…
- 授業・準備に専念できる
- 自由に授業ができる
- 人付き合いで気を遣う必要がなくなった
- 家族と過ごす時間が増えた
- 自由に「複業」ができる
などです。
塾・予備校とは違って、カリキュラムや教材が決まっていません。
ご家庭と相談して、その子に最適なカリキュラムや教材を選んで指導できます。
また、どんな案件を請け負うのかも自由ですし、どの時間に働くのかも自由です。
私は家族と過ごす時間を確保するために土・日はできるだけ指導は入れません。
一方、独身のかたなら、土・日に指導を詰め込めば、収益が上がりやすいでしょう。
※プロ家庭教師になって良かったこと・後悔したことについて、詳しくはこちら↓
一方、プロ家庭教師になるデメリットは、すべて「自己責任」だということです。
メリットである「自由」とは、裏表の関係ですね。
自営業になって、個人的に後悔したことは…
- 働けなくなると収入ゼロ
- 確定申告が面倒くさい
- 情報過疎になりがち
などです。
さきほど紹介したように、プロ家庭教師は「時間給」です。
ですので、自分が働けなければ、収入はゼロになってしまいます。
会社員のように、一定の給与や賞与(ボーナス)、有給休暇・産休・育休、福利厚生はありません。

なかなかキツイやん…
また、家庭教師はお金の出入りがシンプルなので、税理士を雇うほどではないのですが、確定申告は面倒くさいものです…
それに自分で情報を探しにいかないと、誰も教えてはくれません。
サイトでは、主観的に良かったこと・後悔したことを書きましたが、拙著『プロ家庭教師として生きていく方法』では、客観的にメリット・デメリットをまとめています。
プロ家庭教師として独立・開業しようとお考えの方は、ぜひご一読ください!
スマホ・タブレットのKindleアプリでお読みいただけます↓
プロ家庭教師になる方法

では、具体的にプロ家庭教師になる方法を見ていきましょう。
プロ家庭教師になるには、大きく2つの方法があります。
- 個人で営業する
- 家庭教師センターに登録する
です。
1つずつ見ていきましょう。
※独立・開業するときに読んでおきたいおすすめ本はこちらの記事です↓
個人で営業する
1つ目は、いわゆる「個人契約」です。
SNSやホームページを運営し、生徒を募集します。
私は『プロ家庭教師ひかるの教室』というサイトを通して、個人で営業をしています。
個人契約にもメリットとデメリットがあるので、チェックしておきましょう。
個人契約のメリット
個人で営業するメリットは、
- 手取りが増える
- 面倒な報告業務がない
という主に2点です。
さきほど紹介したように、ご家庭が支払う料金の半分近くを、家庭教師センターは「紹介手数料」として得ています。
ですので、講師への報酬が少なくなってしまいます。
でも、個人契約であれば、講師とご家庭の両方にとってWin-Winな料金設定で契約することがきでます。
また、家庭教師センターを通して指導する場合、スタッフへの報告業務があります。
オンラインでかんたんに済ませられる会社もありますが、入力事項が多かったり、文面で書いたことを改めてメールや電話で確認される会社もあったりします。

会社としては、どんな指導が行われているのか確認しなければならないので、仕方ないですが…
でも、個人契約の場合には、スタッフへの報告業務が不要です。
ご家庭と、指導の方向性をしっかりすり合わせしておくけば充分です。
個人契約のデメリット
一方、個人で営業するデメリットとしては、
- 生徒集めに苦労する
- トラブルは自分で対処しなければならない
という主に2点です。
SNSで営業すると書きましたが、ご家庭としては、顔出しせず店舗のない家庭教師になかなか依頼しにくいものです。
ホームページを作っても、検索上位には家庭教師会社のホームページがひしめき、検索上位には食い込めません。
ですので、開業してもなかなか生徒を集められないかもしれません。
また、トラブルも自分で対応しなければなりません。
よくキャンセルになる家庭を引き受けてしまったり、訪問したのに留守だったり、指導料が支払ってもらえなかったりしたら大変です…
※アルバイト向けの記事ですが、個人契約のメリットとデメリットについての記事はこちらです↓
家庭教師センターに登録する
プロ家庭教師ひかるになる2つ目の方法は、家庭教師センターに登録するという方法です。
テレビCMを流している「家庭教師のトライ」などは有名ですね。
トライのように、大学生アルバイトからプロ家庭教師まで広く扱っている会社もあれば、プロ専門の家庭教師センターもあります。
登録するときには書類と面接だけでいい会社もあれば、学力テストで知識をチェックする家庭教師センターもあります。
家庭教師センターに登録するメリット
家庭教師センターに登録しておくメリットとしては、
- 生徒を紹介してもらえる
- トラブルを仲裁してもらえる
という主に2点です。
個人営業のデメリットの裏返しですね。
個人で営業しても、なかなか生徒は集まらないとさきほどお伝えしました。
一方、家庭教師センターに登録していると、生徒を紹介してもらいやすくなります。
特に大手の家庭教師会社は、多くの案件を抱えています。
また、ご家庭とトラブルになった際に、その仲裁やクレーム対応を会社がしてくれます。
ですので、講師は指導に集中することができます。
家庭教師センターに登録するデメリット
それに対して、家庭教師センターに登録しておくデメリットとしては、
- 手取りが少なくなる
- 報告業務が面倒な会社もある
という主に2点です。
やっぱり個人営業のメリットの裏返しですね。
家庭教師センターは、ご家庭が支払う料金の半分近くを「紹介手数料」として得ています。
ですので、講師に支払われるのは、その残りというわけです。
どうしても講師の取り分は、少なくなってしまいます。
かと言って、家庭教師センターを通じて契約したご家庭と、個人契約を結ぶのはNG行為なので注意しましょう。

損害賠償請求される、業界でのNG行為です!
また、指導後に毎回報告しなければならない会社や、報告書の入力項目が多い会社もあります。
さすがに紙ベースで報告書を郵送or提出させる会社はなくなり、今はほとんどオンラインで報告できるようになり便利にはなりました。
※アルバイト向けの記事ですが、家庭教師センターを利用するメリットや良い会社の見つけ方については、こちらの記事もどうぞ↓
まずは家庭教師センターに登録しておくのがベター
個人契約も家庭教師センターも、一長一短ですね。
ですので、家庭教師センターに登録しておきながらも、個人営業を並行するのがおすすめです。
自営業なので、会社に登録しつつ個人で営業するのは、特に問題ありません。
ただし、個人で営業するときには、仮名で顔出ししない方が良いでしょう。
家庭教師センターを通して指導する場合よりも、ご家庭にとっては安く料金を設定しているからです。

この先生、個人で家庭教師やってるやん!
個人契約の方が安いやん!
というように、個人営業のSNSやホームページをご家庭に発見されてしまうと、家庭教師センターにも迷惑がかかってしまいますよね。
また、家庭教師センターといっても、特徴はさまざまです。
- 案件の多さ
- 時給の高さ
- 昇給はあるか・ないか
- 当日キャンセルの際、報酬は保証されるか
- 家庭に訪問するか、教室での個別指導か、オンラインか
- どんな講師に需要があるか(大学受験/医学部/中学受験/最難関/基礎/理系/文系など)
- 報告業務はかんたんか
- 長くお付き合いできそうか
など違いがあります。
自分に合っている会社もあれば、自分には合わない家庭教師センターもあるでしょう。
ただ、実際に登録して働いてみないと、自分に合っているかはわかりません。
また、キャリアを積むうちに状況も変化して、自分に合う会社が変わってくることも実際にあります。
ですので、まずは複数の家庭教師センターに登録しておきましょう。
そして、自分に合う会社をじょじょにしぼりこんでいくのがおすすめです。
※拙著『プロ家庭教師として生きていく方法』では、イニシャルトークでどんな家庭教師センターがあるのか紹介しています。
プロ家庭教師として独立・開業しようとお考えの方は、ぜひご一読ください!
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プロ家庭教師の確定申告

自営業になったら避けては通れないのが、「確定申告」です。
確定申告は、
税金を正しく計算して、税務署に自己申告すること
です。
会社員の場合には、所得税や保険料などは給与から天引きされています。
しかも、年末調整も会社の総務や経理がやってくれていました。

年末調整って、お金が返ってきて、なんかお得な気がするやん
一方、自営業の場合には、自分の収入・支出を計算して、税金を申告しなければなりません。
そのうえで、所得税や消費税、国民健康保険や国民年金を自分で支払わなければなりません。
納税は国民の義務ですから、きちんと確定申告しなければ、延滞税や無申告加算税といったペナルティを受けることになります。
※プロ家庭教師の確定申告について、詳しくはこちらの記事をご覧ください↓
ただ、プロ家庭教師の場合、お金の出入りがとてもシンプルです。
ですので、税理士を利用する必要はありません。
とはいえ、自分で確定申告をやり切るには、簿記の知識が必要になります。
自営業の人たちが、みんな簿記の簿記の知識や資格を持っているわけではありません。
確定申告ソフトを使えば、家計簿をつける感覚で、節税効果がある「青色申告」をすることができます。

面倒くさいことに変わりはありませんが…
もちろん確定申告についてやソフトの使い方で困ってしまうこともあるかもしれません。
そういう場合には、インターネットで調べるなどして、乗り越えている自営業者がほとんどです。
私は「やよいの青色申告オンライン 」のセルフプランを使って、毎年確定申告をしています。
簿記・会計の知識はありませんが、「やよいの青色申告オンライン」で無事に乗り切れています。
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プロ家庭教師として生き残っていくためのキャリア戦略

自営業(個人事業主・フリーランス)は、自分の身は自分で守らなければなりません。
プロ家庭教師として、生き残ってための方法を考えておかなければなりません。
自営業のプロ家庭教師が生き残っていくためのコツは、
リスク分散
です。
1つの事業や取引先に頼り切っていると、その事業や取引先が傾いたときに、自分まで共倒れになってしまいます。
そうならないためにも、収入源は分散させておくのがおすすめです。
プロ家庭教師として生き残っていくためのキャリア戦略の、具体的な方法は、
- 複数の家庭教師センターに登録する
- SNSやホームページで個人営業する
ですね。
それぞれのメリット・デメリットについては、さきほどお伝えした通りです。
また、1教科だけでなく、複数教科を教えられると、引き受けられる案件が増えます。
たとえば、「国語・算数両方担当できる講師」というリクエストがあったときに、国語だけ、算数だけしか担当できない講師は請け負えません。
「私は中学受験国語の専門です!」というかたも、英語ができれば中学受験を終えた後、中学・高校に進学してからも長く担当させてもらえるようになります。

私がこのタイプです↑
ただし、「時間給」で働く家庭教師という仕事自体もリスクです。
自分が動けなくなったら、収入がゼロになってしまいます。
ですので、自分が動いていない間にも収入が入ってくるような「ストック型」の収入源を用意しておくといいでしょう。
- オリジナルの教材を販売する
- 本を出版して印税(ロイヤリティ)を得る
- 運営サイトから広告収入を得る
などですね。
たとえば、私は『プロ家庭教師ひかるの教室』というサイトを通して、個人で生徒を募集するとともに、サイトの広告からも収益を得ています。
コロナで1週間ほど家庭教師の仕事ができなかったときにも、サイトからの広告収入で、収入がゼロになることは防ぐことができました。
自営業はどんなビジネスをするのも自由です。
複数の収入源を確保しておくと、収入だけでなく、精神的にも余裕が生まれます。
リスク分散するメリット・デメリットについて、詳しくはこちらの記事をご覧ください↓
まとめ:プロ家庭教師になるための独立・開業ガイド
プロ家庭教師になるための独立・開業のステップをまとめてきました。
とても長い記事になってしまいましたので、ブックマークをして必要に応じて読んでいただけると幸いです。
自営業になることをすすめているわけではありません。
冒頭が書いた通り、自営業という働き方、会社員という働き方に優劣はありません。
それぞれに一長一短があり、自分の生き方・価値観で選ぶものですね。
どういう働き方であれ、一緒に塾業界・受験業界を盛り上げていきましょう!