こんにちは、プロ家庭教師のひかるです。
私は正社員の塾講師をしていましたが、体調を崩したのをきっかけに独立・開業してプロ家庭教師になりました。
今回の記事では、私がプロ家庭教師になって良かったと感じたこと、後悔したことをまとめました。
- プロ家庭教師になるメリット
- プロ家庭教師になるデメリット
がわかります。

プロ家庭教師になるメリットとデメリットを知りたい…
と、プロ家庭教師という仕事・生き方に興味を持っているかたの参考になれば幸いです!
プロ家庭教師≒自営業

プロ家庭教師になるメリット・デメリットをお伝えする前に、「プロ家庭教師」という働き方について触れておきます。
プロ家庭教師のほとんどは、独立・開業した「自営業(個人事業主・フリーランス)」です(中には、正社員のプロ家庭教師もいます)。
つまり、会社に雇われて働く「会社員・正社員」とは、別の働き方・生き方です。
プロ家庭教師は、ご家庭・生徒と、
- 個人で契約する
- 家庭教師センターを通して契約する
ことで指導します。
多くのプロ家庭教師が、家庭教師会社に登録していますが、「業務委託」で指導を請け負っています。
ですので、1つの家庭教師センターに所属しているわけではなく、複数の会社に登録している人も多いです。
塾講師時代のかつての同僚に、

プロ家庭教師を続けてるって…正社員になれないんですね…
と憐みの言葉をかけられました。
彼はもしかしたら「家庭教師=アルバイト」と思っていたのかもしれませんし、「正社員>フリーランス」という優劣があると考えていたのかもしれません。
ただ、さきほどお伝えした通り、正社員と個人事業主はまったく別の生き方です。
どちらが上、どちらが下という関係ではありません。
自分の価値観で選ぶものだと私は考えています。

その元同僚には「そうなんです」と答えたので、彼は勘違いしたままです…
今回の記事では、プロ家庭教師になって良かったと感じたこと・後悔したことをまとめました。
そのメリット・デメリットが、みなさんの価値観に合うかどうかをお確かめください!
プロ家庭教師になって良かったこと5つ

まず、プロ家庭教師になって良かったことからお伝えします。
独立・開業して自営業になって良かったことは、何より、
自由
になれたことです。
もう少し具体的に書くと、
- 授業・準備に専念できる
- 自由に授業ができる
- 人付き合いで気を遣う必要がなくなった
- 家族と過ごす時間が増えた
- 自由に「複業」ができる
の5つの自由が生まれたと感じています。
1つずつ紹介していきます。
授業・準備に専念できる
授業や授業準備に専念できるのは、大きなメリットでした。
正社員で塾講師をしていると、なかなか授業に専念できません。
授業以外にもいろいろな業務をこなさなければなりません。
- 会議
- ポスティング・チラシ配り営業
- 懇談
- 入塾面談
- 掃除
- 生徒の迎え入れ・送り出し
- 開錠・戸締り
などです。
総務や広報、教材開発、教室運営などを兼ねている場合には、それらの業務も並行しなければなりません。
「なかなか教材や入試問題を研究する時間が取れない…」という塾講師も多いでしょう。
その結果、勤務時間外の午前中や休日に、教材研究をする人もいます。
残業して授業準備をして、家に帰るのは日付が変わってからという講師もいますよね…

塾業界・受験業界はブラックって、よく言うやん
でも、プロ家庭教師として独立・開業すると、授業や授業準備以外の業務をしなくてもよくなります。
家庭教師センターに登録している場合、営業・入会説明・請求をすべて会社がやってくれます。
紹介してもらったご家庭にうかがい指導し、指導報告(最近はオンラインで)をするだけです。
家庭教師センターのスタッフとミーティングをしたり、保護者懇談をすることもありますが、それらにも報酬(時間給)がつきます。

だからこそ会社は、ご家庭が支払う料金から紹介料・手数料(マージン)を得ています
夕方から指導なので、昼間は入試問題研究や教材づくりに専念できるというわけです。
※プロ家庭教師の生活リズムについて、詳しくはこちらの記事もどうぞ↓
自由に授業ができる
また、授業自体も自由にカスタマイズできるのも、良かったと感じています。
塾で指導するときには、カリキュラムや教材が決まっています。
塾として「均質化」するために、勝手に教材を作って配布するのがNGの塾も多いですね。
でも、プロ家庭教師の場合には、カリキュラムや指定教材にとらわれずに指導することができます。
その子に合った進度、その子に合った教材で指導できます。

オーダーメイドってヤツやな
また、ご家庭もプロ家庭教師には、そのようなオーダーメイドな指導を求めています。
どのような案件を請け負うかも、自由に選べます。
- 自分の得意教科だけ引き受けよう
- 得意じゃない教科にもチャレンジしたい
- 今年は授業・収入を増やしたい
- 来年度に備えて受験学年以外を請け負おう
というように、自分の状況に合わせて、担当するご家庭と契約します。
もちろん断り続けると家庭教師センターとの関係が悪くなるので、微妙な案件でも引き受けなければならないこともありますが。
※プロ家庭教師として生き残っていくキャリア戦略については、こちらの記事もどうぞ↓
人付き合いで気を遣う必要がなくなった
私は(塾講師としては致命傷ですが)口下手です。
人付き合いもあまり上手ではありません。
ですので、上司や同僚と何を話せばいいのか、どう会話を盛り上げたらいいのか困ることがよくありました。
同年会・新年会や、打ち上げのような飲み会も、けっこう苦手なタイプです。

コミュ障やん
でも、独立・開業して、プロ家庭教師になると従業員は自分だけですし、自宅=事務所です。
誰に気を遣うわけでもありません。
もちろん授業の際には、子どもたちに指導し、保護者にも報告やプランをお伝えしなければなりませんが、授業や保護者対応は特に負担に感じないので問題ありません。
家庭教師センターのスタッフに報告・連絡・相談することもありますが、最小限で済みます。
逆に、人付き合いが好き・得意な人にとっては、人付き合いが減るので物足りないかもしれませんね。
家族と過ごす時間が増えた
子どもが産まれてからは、独立・開業して良かったと思うことが増えました。
プロ家庭教師は平日夕方以降に指導がありますが、昼間は融通がききます。
ですので、平日の昼間にある保育園や学校のイベントにも参加できます。
夕方の指導がお休みになったときには、保育園のお迎えに行き、一緒に晩御飯も食べられます。

子どもって、すぐに大きくなってしまうやん…
また、正社員の塾講師をしていると、土曜日は基本的に出勤です。
でも、保育園や学校の運動会・音楽会って、土曜日に開催することが多いですよね。
日曜日も特訓授業や定期テスト対策などで出勤になることがあります。
なかなか家族で出かけにくくなってしまいます…
子育てにあまり参加できなかったことを悔やんでいるベテラン講師もします。
私はプロ家庭教師になってからは、土曜日・日曜日にはできるだけ指導は入れないようにしています。
ですので、保育園や学校のイベントに参加したり、習い事に連れていったり、家族で出かけたりしています。

スケジュールも自由に決められます
もちろん平日は夕方以降、指導に出かける日がほとんどなので、妻には負担をかけています。
2歳の息子も「おとーしゃんに会いたいぃ…」と泣いていることもあるそうです(泣)
他の業界・業種ほどには、家族と過ごす時間がとれていないのは、塾業界・受験業界のつらいところです…
一方、独身のかたであれば、家族を気にせず土日も指導を詰め込めば、かなり収益は上がるでしょう。
どのように時間を使うのかも、自由というわけですね。
自由に「複業」できる
副業が解禁になったとはいえ、多くの会社はまだ副業NGです。
でも、プロ家庭教師はどこかの会社に雇用されているわけではありません。
自営業なので、どんなビジネスをするのかは自由です。
ですので、副業ではなく「複業」と書いた方が、しっくりきます。
私の場合には、家庭教師センターから案件を紹介してもらいつつも、『プロ家庭教師ひかるの教室』というサイトを通して個人契約も行っています。

複数の家庭教師センターにも登録しています
また、書籍をセルフパブリッシング(自己出版)してAmazonで販売しています。
大きな収入ではありませんが、そのロイヤリティ(印税)も貴重な収入源です。
また、このサイトや『プロ家庭教師ひかるの教室』からの広告収入も発生しています。
このような「複業」は、就業規則が厳しい会社員には難しいものです。
Amazonで販売している書籍はこちらです↓

宣伝やん
と思われたかと思いますが(笑)拙著『プロ家庭教師として生きていく方法』もぜひお読みくださいませ。
スマホ・タブレットのKindleアプリでお読みいただけます。
プロ家庭教師になって後悔したこと3つ
次に、プロ家庭教師になって後悔したことをお伝えします。
独立・開業して個人事業主になるデメリットは、メリットである「自由」の反対、
自己責任
だということです。
自由であるには、当然その責任を負わなければなりません。
具体的には、
- 働けなくなると収入ゼロ
- 確定申告が面倒くさい
- 情報過疎になりがち
ということには、困りました…
掘り下げて紹介していきます。
働けなくなると収入ゼロ
まず、フリーランスのプロ家庭教師、最大の弱点は「時給仕事」であることです。
働いている時間は時給が発生しますが、働いていない時間は収入ゼロです。
会社員の場合には、風邪を引いて休んでも、忌引きでも給与は一定です。
賞与(ボーナス)も出ますし、有給・産休・育休、その他の福利厚生も整っています。
でも、プロ家庭教師の場合には、働いた分だけしか収入が入りません。

いわゆる「フロー型」の収入・働き方です。
家族全員がコロナウィルスに感染したときには、1週間くらい働けませんでした。
その結果、10万円ほどの機会損失になってしまいました…
ですので、さきほど「複業」として紹介した、書籍のロイヤリティ(印税)やサイトの広告収入など、収入源を分散するように心がけています。
印税や広告収入は、働いていない間にも収益をもたらしてくれます。
いわゆる「ストック型」の収入ですね。
ひとりビジネス習慣の専門家である佐藤伝さんは、『ひとりビジネスの教科書』という本で次のように書かれています。
今、日本ではほとんどの人が、キャッシュポイントを1つ(せいぜい2つか3つ)しか持っていないのです。でも、それってとってもリスクが高いですよね。(中略)
『ひとりビジネスの教科書』より引用
キャッシュポイントが1つしかないと、それを必死で守り抜こうとしがみつき、お金をくれる人や組織の顔色をうかがい、ビクビク生きることを余儀なくされます。
複数の収入源があるだけで、会社や他人に依存しないで、経済的にも精神的にも、自立して生きる人になれるのです。
キャッシュポイントというのは、収入源のことです。
特に、自営業の場合には、リスク分散は超重要です。
このように個人事業主は、儲かるのも自由、儲からないのも自由(自己責任)というわけですね。
※独立・開業するときに読んでおきたいおすすめ本はこちらです↓
確定申告が面倒くさい
お金関係では、「確定申告」も自営業の宿命です。
確定申告とは、
税金を正しく計算して、税務署に自己申告すること
です。
会社員の場合には、所得税は給与から天引きされています。
その調整である年末調整も、総務や経理がやってくれていました。
でも、個人事業主の場合には、自分で収入・支出をとりまとめ、税額を自己申告しなければなりません。
そして、所得税・消費税・国民健康保険・国民年金なども自分で支払います。

住民税は忘れた頃にやってくる…
特に独立・開業した1年目は、「ミスしたら脱税になるのかな…」なんてビクビクしながら確定申告を済ませました。
開業して数年間がたち、確定申告にも少しずつ慣れてきましたが、面倒くさいことに変わりありません。
しかも、確定申告の時期は、2月16日から3月15日が基本です。
この時期って、高校入試・大学入試、中学受験の新年度の募集などでバタバタ…
塾業界・受験業界の繁忙期と重なってしまいます。

同業者あるあるやろな…
幸い、プロ家庭教師という仕事は、仕入れや掛け金などがなく、お金の出入りがシンプルです。
ですので、税理士を雇わなくても、確定申告ソフトを使えば、なんとか自分で確定申告することはできます。
※自営業の宿命である確定申告について、詳しくはこちらの記事もどうぞ↓
情報過疎になりがち
人付き合いで気を遣わなくてもいいことを、プロ家庭教師になって良かったこととして紹介しました。
でも、人や会社とのつながりが少なくなるということは、情報が入ってこなくなるということです。
孤独が気にならない、マイペースな性格ですが、この「情報過疎」には困りました…
会社で働いていると、誰か詳しい人が教えてくれたり、会議や研修で共有してもらえたりします。
一方、自営業の場合には、自分から情報を取りにいかないと入ってきません。

入試システムや出題傾向って、けっこうコロコロ変わりますよね…
家庭教師センターに登録していますが、センターと家庭教師はあくまで取引相手です。
社員ではないので、わざわざ情報を提供してくれるわけではありません。
あくまで「プロの知識・技術・情報を、家庭教師として発揮してね」というスタンスです。
ですので、自営業ではありますが、塾・予備校などにも所属して、情報を得る場所を作っておく必要があります。
「独立」したら「孤立」しちゃった…なんてことにならないように、しなければなりません…
個人的にはメリット>デメリット

ここまで、プロ家庭教師になって良かったこと・後悔したことを紹介してきました。
個人的には、後悔したことよりも、良かったことの方が多かったと思います。
だからこそ、プロ家庭教師という仕事を続けていますし、これからも続けたいと思っています。
ただ、何をメリットと感じるか、デメリットと感じるかは、その人の価値観によります。
私は人付き合いが得意ではなく、1人で工夫するのが好きなので、メリットと感じました。
でも、「1人で仕事するなんて耐えられない!」という人もいます。

孤独は人間をカラッポにするからな!
俺は人間をやめるぞ!ジョジョーッ!!
また、指導以外の時間帯は、何をするのも自由です。
私は昼間の時間帯に、教材を作ったり、入試問題を研究したり、サイトの記事を書いたりしています。
でも、コロナで在宅勤務になった友人は「家で仕事するとダラダラしてまう…」と悩んでいました。
初めにお伝えした通り、個人事業主と会社員は、どちらが上でどちらが下という優劣関係はありません。
どういう生き方・働き方をしたいのか、という価値観の違いですね。
今回の記事では、私の主観を中心に「良かったこと・後悔したこと」をまとめましたが、拙著『プロ家庭教師として生きていく方法』では、客観的にプロ家庭教師になるメリット・デメリットを挙げています。
ご興味がございましたら、ぜひお読みください!
スマホ・タブレットのKindleアプリでお読みいただけます↓
まとめ:プロ家庭教師として独立・開業して良かったこと・後悔したことを告白!
私の場合には、体調を崩したことで、正社員の塾講師を辞めざるを得ませんでした。
消去法的に始めたプロ家庭教師でしたが、自分には合っていたと感じています。
ただ、万人に合っているというわけではありません。
正社員を辞めて独立・開業するというのは、大きなチャレンジであり、リスクでもあります。
じっくりとメリット・デメリットを検討して、ご家族と話し合ってくださいね。