こんにちは、プロ家庭教師のひかるです。
プロ家庭教師って確定申告が必要?
確定申告って何をすればいいの?
そもそも確定申告って何?
フリーランス・個人事業主としてプロ家庭教師をスタートしたものの、「確定申告がよくわからない…」というかたもいらっしゃるでしょう(私もそうでした)。
また、「確定申告」という未知で不気味な存在のせいで、独立・開業に一歩踏み出せない人もいるかもしれません(私もそうでした)。
今回の記事では…
がわかります。
確定申告でお困りのプロ家庭教師の皆様、独立・開業を考えている皆様の参考になれば幸いです!
「確定申告」の謎に迫る!
確定申告とは?
確定申告の乗り越え方をお話しする前に、「確定申告とは何なのか」を確認しておきましょう。
確定申告って何なのかがわからずに困っている人も多いと思います。
「確定申告」とは、まとめると…
税金を正しく計算して、税務署に自己申告すること
です。
基本的に2月16日から3月15日の間に、前年分の確定申告の書類を税務署に提出します。
そのシーズンになると、街頭や駅に、確定申告や会場についての案内をよく見かけます。
会社員の場合には、所得税は給与から天引きされています。
また、年末調整の書類さえ会社に提出すれば、経理や総務が年末調整してくれますね。
年末調整って、何を調節してるか知らんけど、お金が戻ってきてラッキーな気がするやん
でも、個人事業主・フリーランスは、自分で税金を計算して申告しなければなりません。
そして、自分で所得税や消費税、社会保険料を納める必要があります。
プロ家庭教師のほとんどは、家庭教師会社から「業務委託」で仕事を請け負うフリーランスです(中には、正社員のプロ家庭教師もいます)。
ですので、確定申告は、個人事業主であるプロ家庭教師の「宿命」と言えます。
確定申告するとどうなる?
では、確定申告をするとどうなるのでしょうか?
確定申告をすることによって…
- 払い過ぎた税金が戻ってくる
- 不足している税金を納める
ことになります。
払い過ぎた税金が戻ってくることを「還付」と言います。
さきほど触れましたが、サラリーマンの「年末調整」と同じですね。
一方、不足していた場合には「追加徴収」として、確定申告の後に納めなければなりません。
家庭教師会社からは「報酬」という形で指導の対価が支払われます。
「給与」と違って、「報酬」は所得税が天引きされないので、後で支払うのが基本になります。
プロ家庭教師の時給の相場・年商シミュレーションについては、こちらの記事をご覧ください↓
確定申告しないとどうなる?
払い過ぎた税金が戻ってくるの(還付)はありがたいけれど、不足している税金は、正直なところできれば払いたくはありませんよね…
では、確定申告しないとどうなるかというと…
延滞税や無申告加算税などのペナルティーを受ける
ことになります。
確定申告をせずに、税金を納めないのは「脱税」ですね。
高額の申告漏れがあったお笑い芸人が、これまた高額な追徴税を支払ったニュースもありました。
「納税は国民の義務」!
ちなみに、税金を払っていないと税務署は取り立てにきますが、税金を払い過ぎていても、税務署は教えてくれません。
いずれにしても、きちんと確定申告をして納税することが大切です。
プロ家庭教師の確定申告については、拙著『プロ家庭教師として生きていく方法』でも紹介しています↓
お持ちのスマホ・タブレットのkindleアプリで、お読みいただけます。
税額はどうやって決まる?
確定申告は「税金を正しく計算して、税務署に自己申告すること」ですが、どうやって税額が決まるのでしょうか?
「所得税」という名前の通り、税額は「所得」で決まります。
つまり…
- 所得が高ければ、税金も高くなる
- 所得が低ければ、税金も低くなる
ということです。
社会の授業で出てくる「累進課税制度」ってやつですね
ただ、「売上・もうけ」でそのまま税額が決まるわけではありません。
課税される所得は、売上から、経費や控除と呼ばれる金額を引いたものです。
課税所得 = 売上 ー 経費 ー 控除
「経費」というのは、売上のためにかかった必要な支出のことですね。
プロ家庭教師の場合には、消耗品費(筆記用具・プリンターインクなど)や、新聞図書費(問題集・参考書)などの経費が多いでしょう。
経費であることの証明として、レシートや領収書を保管しておかなければなりません。
そして、きちんと経費を計上することで、課税所得を抑えることができる、つまり、税額を抑えることができます。
だから、自営業の人は「領収書ください」って言うてるねんな
経費については、別サイトの記事でまとめています↓
一方、「控除」というのは、「金額を差し引いて、税金の負担を減らすこと」です。
基礎控除・配偶者控除・扶養控除・生命保険料控除・医療費控除などは、よく聞く名前だと思います。
こういった控除を売上から引くことによって、課税所得を減らす、つまり、税額を減らすことができます。
控除って、ありがたいものやってんな。
それにしても、もうちょっとわかりやすい言葉にしてほしいわ…
控除については、こちらのサイトで詳しく紹介されています↓
いろいろ書いてきたので、ここでまとめておきますね。
売上から、経費や控除を差し引いたものが「課税所得」でした。
この課税所得が高いほど税金も高くなり、課税所得が低いほど税金も低くなるということですね↓
上の図の水色の部分に、税金がかかってきます。
たとえば課税所得が195万円未満の場合には、5%が所得税になります。
一方、4500万円以上の人の場合には、45%も所得税として納めなければなりません!
累進課税制度の税率について、詳しくはこちらのサイトがわかりやすいです↓
税額を抑えるためにも、きちんと経費を計上して、また、控除することが必要です。
いわゆる「節税」ですね!
プロ家庭教師の確定申告に税理士は必要?
ここまでの話で「控除とかよくわからん…税理士に頼んだ方が速いんちゃう?」と感じたかたもいるかもしれません。
ただ、プロ家庭教師の仕事は、他の仕事ほどお金の流れが複雑ではありません。
ですので…
プロ家庭教師業に税理士は不要
だと私は考えています。
ただ、素人がすべて自力で確定申告できるかというと、それは無理です…
どっちやねん!
と、ツッコミが入れたかたも多いかもしれませんが、確定申告用の会計ソフトを使えば、会計や簿記の知識がなくても確定申告しやすくなります。
私自身も税務に関しては門外漢ですが、「やよいの青色申告オンライン 」を使ってなんとか乗り切っています。
こういった会計ソフトは、家計簿をつける感覚で、収入や支出を入力していけば、確定申告できるように作られています。
青色申告の会計ソフトでお得に確定申告!
確定申告には「青色申告」と「白色申告」の2種類があります。
「白色申告」は、お金の出入りをかんたんに記録する方法です。
「単式簿記」といって、日付・項目・金額を入力するだけです。
でも、白色申告では控除がありません。
控除がないということは、「課税所得が減らせない=税額を減らせない」ということでしたね
一方、「青色申告」は、特別控除として最大65万円を売り上げから差し引くことができます。
つまり、最大65万円分も課税所得を抑えられるので、「節税」できるというわけです。
青色申告には他にもメリットがありますが、詳しくは会計ソフト会社「弥生株式会社」の『青色申告と白色申告の違いとは?メリットとデメリットをわかりやすく解説』という記事をご覧ください↓
でも、青色申告では、「借方・貸方」という2つの視点でお金を記録しなければなりません。
そのためには「複式簿記」の知識が必要となります。
簿記…
やっぱり無理かも
そう感じたかたもいるかもしれません。
でも、個人事業主・フリーランスの多くも、複式簿記なんて正式に知りませんし、使えません。
では、そういった自営業の人たちがどうやって青色申告をしているのかというと、青色申告用の会計ソフトを使っているわけです。
確定申告のやり方・流れ
では、確定申告の流れを見ていきましょう!
確定申告の手順は…
- 所得税の青色申告承認申請書を提出しておく
- お金の出入りがわかる書類を保管しておく
- 青色申告ソフトに入力していく
- 青色申告決算書・確定申告書を作成する
- 税務署に書類を提出する
- 納税する・還付される
です。
順にチェックしていきましょう。
所得税の青色申告承認申請書を提出しておく
最大65万円の特別控除となる青色申告をするには、事前に申請書を提出しておく必要があります。
「所得税の青色申告承認申請書」っていう書類です。
開業するときには「開業届」を、お住いの地域を管轄する税務署に提出します。
そのときに青色申告承認申請書もいっしょに提出しておくと楽ですね。
持参、郵送、e-Tax(オンライン)でも提出可能です
また、「適格請求書発行事業者の登録申請書」と「簡易課税制度選択届」という書類もいっしょに提出しておくといいでしょう。
2023年10月から「インボイス制度」がスタートしました。
それまでは消費税が非課税だった売上1000万円以下の免税事業者も、(適格請求書発行事業者になると)消費税の課税事業者になりました。
いろんなところで「インボイス対応」って、最近見かけるわ
ただ、消費税の計算までは、正直なところ個人事業主には手が負えません。
事務作業がとてもややこしくなるため、「簡易課税制度」という方法を利用する人が多いです。
簡易課税制度では、消費税を概算して申告して納税できます。
業種によって計算方法が違ってきますが、プロ家庭教師は「第5種事業(サービス業)」に分類され、「売上にかかった消費税×みなし仕入率(50%)」で計算します。
その簡易課税制度を利用するには、事前に「簡易課税制度選択届」で申請しないといけないというわけです。
所得税だけやなく、消費税もあるんか…
ややこしそうな提出書類が多いし、心折れそうやわ…
と感じたかたも多いかもしれませんが、書類を書いて提出するだけです。
他の自営業者も所得税や消費税について精通しているわけではなく、なんとか調べながら乗り切っているものですよ!
それにわからないことがあったら、税務署に質問・相談しに行くといいでしょう。
税務署は税金をきっちりと取りたいので、親切に教えてくれるはずです(笑)
ただし、確定申告時期(2・3月)は税務署も忙しいので、注意しましょう
書類は国税庁のホームページからダウンロードできます。
リンクを貼っておきますので、ご利用ください↓
<開業届>
<所得税の青色申告承認申請書>
<インボイス(適格請求書)登録>
<簡易課税制度選択届>
お金の出入りがわかる書類を保管しておく
ふだんからやっておきたいのは、お金の出入りがわかる書類を保管しておくことです。
具体的には…
- 【収入関連】指導料の明細書・領収書・支払調書など
- 【支出関連】領収書・レシート、クレジットカードの明細書など
- 【控除関連】生命保険・地震保険・火災保険などの控除証明書
などです。
これらをクリアファイルやフォルダに、月ごとに保管しておくのがおすすめです。
確定申告ソフトに入力していくときに、スムーズに作業に入れます。
もし、保管していないと、領収書や控除証明書を探すところから、作業を始めなければなりません…
それはストレスフルやで…
また、ふだんから通帳記入をしておき、お金の出入りが確認できるようにしておくといいですね。
青色申告ソフトに入力していく
確定申告(2月16日~3月15日)が近づいてきたら、会計ソフトにお金の出入りを入力していきましょう。
プロ家庭教師にとっては、確定申告の時期は、入試のシーズンと重なります。
ですので、もちろんふだんから会計ソフトに入力しておいてもOKです。
私は、夏休みの宿題を後回しにするタイプに人間なので、会計ソフトへの入力も確定申告前です(笑)
さきほど紹介した通り、確定申告ソフトを使えば、家計簿をつける感覚でお金の出入りを入力できます。
プロ家庭教師の仕事は、お金の出入りがシンプルです。
ですので、振り込まれた収入、支払った経費を入力するだけでOK。
私は「やよいの青色申告オンライン 」を使っていますが、その使い方を別サイトに備忘録的に残しています↓
<収入の入力方法>
<支出の入力方法>
プロ家庭教師の場合に、自宅を事務所として使っている人がほとんどです。
その場合には、仕事として使っている割合だけ、経費に計上することができます(「家事按分」と言います)。
たとえば、家賃や水道光熱費、ガソリン代、インターネット料金や携帯電話の料金などですね。
一般的には…
<勘定科目> | <家事按分の比率> |
地代家賃 | 使用面積や日数で計算 |
光熱費・通信費 | 使用時間や日数で計算 |
ガソリン代 | 走行距離で計算 |
という基準で計算するといいようです。
あいまいな基準ですが、税務署にきちんと説明できればOKです。
家事按分やその計算方法についても、別サイトでまとめています↓
青色申告決算書・確定申告書を作成する
お金の出入りをすべて入力し終わったら、提出する書類を作ります。
作らなければならないのは…
- 青色申告決算書
- 所得税の確定申告書B
という書類です。
書類を作ると言っても、確定申告ソフトの流れに沿って入力していけば自動的に作れます。
気をつけなければならないのは、「入力がすべて終わってから」書類を作るということ!
もし入力ミスがあった場合、書類をいちから作り直さなければいけなくなります…
途中でミスに気付くと、絶望的な気分になります…
税務署に書類を提出する
「青色申告決算書」と「所得税の確定申告書B」を作り終わったら、後は提出するだけです。
提出の方法は…
- 窓口
- 郵送
- e-Tax(オンライン)
確定申告時期は、税務署や確定申告会場は混み合います。
でも、書類の提出だけなら、すぐに済ますことができます。
また、近くに提出場所がない場合には、郵送でも提出OKです。
ただし、持ち込みや郵送では、青色申告の特別控除が55万円になってしまいます。
最大の65万円の特別控除を受けるには、e-Taxというオンラインでの提出が必要です。
提出したら、確定申告は終了です!
納税する・還付される
確定申告が終わったら、確定申告ソフトがはじき出した金額で、消費税などを納めます。
所得税については払い過ぎている場合には、戻ってきます(還付)。
一方、足りない場合には、追加で納めなければなりません(追加徴収)。
また、5~6月頃に「住民税」の通知書が届いたら、支払いましょう。
忘れた頃に届くので、ダメージが大きいです…
また、「国民健康保険」と「国民年金」の支払いもありますね(これまた忘れた頃に通知が来ます…)。
まとめ:プロ家庭教師の「確定申告」ガイド
確定申告の意味からやり方・流れまで、ざっくりと紹介しました。
確定申告への不安は解消されたでしょうか?
それとも、ますます心配になってきたでしょうか…
ただ、税務や簿記の知識のない個人事業主・フリーランスがほとんどで、なんとかかんとか確定申告を乗り切っています。
今は、インターネットでなんでも調べられる世の中です。
ウェブ上で検索しながら、確定申告を切り抜けている人も多いでしょう。
確定申告がややこしくて、面倒くさいことには変わりありませんが…
領収書などを日頃から保管しておくことは大切ですが、それよりもプロ家庭教師という本業で収益を上げることの方が大切です。
確定申告ソフトもうまく活用しながら、自営業の波を乗りこなしていきましょう!