こんにちは、プロ家庭教師のひかるです。
プロ家庭教師って、食っていけるの?
キャリア戦略って必要?
プロ家庭教師という仕事が気になるけれど、その生態が謎過ぎる…と感じている人も多いのではないでしょうか?
今回の記事では…
がわかります。
身近にプロ家庭教師がいないと、キャリアをイメージしづらいですよね。
顔が売れている人気講師なら「キャリア戦略」なんて必要ないかもしれません(実際にはしっかりと「キャリア戦略」を考えているからこそ、顔が売れているのだとは思いますが)。
私たちのような一般的なプロ家庭教師こそ、生き残っていくための「キャリアプラン」が必要です。
- 塾講師からの転職を考えているかた
- プロ家庭教師を目指しているかた
- 独立・開業にチャレンジしたいかた
- プロ家庭教師になってキャリアプランを考えているかた
の参考になれば幸いです。
現役プロ家庭教師が解説します!
プロ家庭教師はフリーランス・個人事業主
プロ家庭教師としてのキャリア戦略を紹介する前に、プロ家庭教師がどのような働き方なのかを説明しておきます。
というのも、会社員・サラリーマンのキャリア戦略とは、かなり違ってくるからです。
プロ家庭教師のほとんどは、フリーランス・個人事業主、つまり「自営業」です(中には正社員のプロ家庭教師もいます)。
家庭教師会社から「業務委託」という形で仕事を紹介してもらい、子どもたちを指導します。
個人が運営するウェブサイトやSNSを通して、個人で契約する方法もあります。
私も「プロ家庭教師ひかるの教室」というサイトを運営して、個人契約もしています
会社と雇用関係がある会社員・サラリーマンの場合には、まずは会社の中でどうやってスキルアップしてポジションを得ていくかがキャリア戦略のポイントになるでしょう。
一方、自営業のプロ家庭教師の場合は、どこかの会社に雇われているわけではありません。
給与や賞与が保証されているわけでもありません。
経理も営業も社長も「オレ」なので、自分なりに工夫して、キャリアを築いていく必要がありますね。
自営業のキャリア戦略のコツは「リスク分散」
では、フリーランス・個人事業主のプロ家庭教師は、どんなキャリア戦略を取ればいいのでしょうか?
自営業のキャリア戦略のコツは「リスク分散」です。
ひとりビジネス習慣の専門家である佐藤伝さんは『ひとりビジネスの教科書』という本の中で、次のように書かれています。
キャッシュポイントが1つしかないと、それを必死で守り抜こうとしがみつき、お金をくれる人や組織の顔色をうかがい、ビクビク生きることを余儀なくされます。複数の収入源があるだけで、会社や他人に依存しないで、経済的にも精神的にも、自立して生きる人になれるのです。
1つしか取引先がないと、その会社が傾いたときに、自分まで倒れてしまいます。
また、取引先との関係がこじれてしまったら、無収入になってしまうでしょう。
そうならないためにも、「リスク分散」を心がけていく必要があります。
プロ家庭教師の場合には…
- 複数の家庭教師会社に登録する
- ウェブサイト・SNSで個人営業する
というのが、具体的な「リスク分散」になりますね。
プロ家庭教師としての生き残っていく方法は、拙著『プロ家庭教師として生きていく方法』でも紹介しています↓
お持ちのスマホ・タブレットのkindleアプリで、お読みいただけます。
「リスク分散」するメリット
リスク分散することには、メリットとデメリットの両方があります。
まずは、リスク分散のメリットから見ていきましょう。
リスクを分散させるメリットは…
- 収入面で保険がかけられる
- キャリア面で保険がかけられる
- 自分の市場価値がわかる
- 学びの場を増やせる
の4つです。
掘り下げてみていきましょう。
収入面で保険がかけられる
まず、リスク分散することで、収入がゼロになる危険を避けられます。
1つの家庭教師会社に登録しても、あまり紹介できる案件を持っていない小規模な会社もあります。
また、登録してすぐに、たくさんの案件を任せてもらえるとも限りません。
なので、いくつかの家庭教師センターに登録していれば、紹介してもらえる案件数が増えます。
そりゃそうやな
また、家庭教師会社にとって、プロ家庭教師はあくまで業務を委託する「取引相手」です。
正社員ではない取引相手の生活やキャリアを守る義務はありません。
たとえば、コロナウィルスが蔓延して、緊急事態宣言が発令されたときに、指導がストップせざるを得ない塾・家庭教師会社がたくさん出ました。
その間も、正社員の塾講師であれば、給与・賞与が支払われます。
でも、個人事業主・フリーランスの場合には、「指導ストップ=無報酬」になってしまいました。
会社員・サラリーマンは守られているんですよ…
取引先を1社にしぼっていた講師なら、収入がゼロになってしまっていたでしょう。
一方、複数の家庭教師に登録していれば、収入が激減してしまうのを避けることができました。
フェイスシールドをつけるなど感染対策をすれば指導OKとした、家庭教師会社もありましたから。
だからこそ、フリーランス・個人事業主は、収入源を複数確保しておくことで、収入面でのリスクを減らすことができます。
今後もどんなイレギュラーな事態が起こるか、わからんもんな
個人のウェブサイトやSNSを育てておき、個人契約という方法でリスク分散するのもアリです。
1つの家庭教師会社としか取引をしていないと、さきほど紹介した通り、家庭教師会社が倒産したら、共倒れになってしまいます。
また、家庭教師センターとの関係がこじれたら、案件を紹介してもらえなくなるかもしれませんね。
キャリア面で保険をかけられる
家庭教師会社とは長くお付き合いをしていくことになるので、会社との「相性」も重要です。
理系優遇の会社では、文系の講師は活躍しにくいでしょう。
一方、理系講師が多すぎる会社では、文系の講師が重宝されるかもしれません。
中学受験中心の会社もあれば、大学受験の案件が多い会社もあります。
人材にも「需要と供給」が影響するねんな
また、指導力や合格実績が評価されて、講師ランクや時給を上げてくれる家庭教師派遣会社があります。
その一方で、「昇給アリ」とうたっていながらも、実際には報酬が変わらない会社もあります。
ポイントは、会社とある程度お付き合いをしてみないと、その会社との「相性」はわからないということです。
だからこそ、複数の家庭教師会社に登録しておくと、「あ、この会社とは長くお付き合いできないかも…」と思ったときに、他の会社との取引へとスムーズにシフトすることができます。
「この会社は非常勤講師も大切にしてくれているな」と感じる会社とお付き合いしたいですね
ただし、「相性」は変化する可能性があります。
今は中学受験の案件を中心に請け負っていても、いつかは大学受験の案件を中心に切り替えるかもしれません。
ご家庭に訪問するスタイルよりも、教室で指導する個別指導スタイルが自分に合っていると感じる時期が来るかもしれません。
将来のキャリアのために、つながりを作っておくことは大切ですね。
自分の市場価値がわかる
会社員でもそうですが、1つの企業でしか働いていないと、自分の市場価値がわかりにくいものです。
「他の会社で自分の知識やスキルは通用するのだろうか…」と気になりますよね。
正社員の場合には、転職サイトや転職エージェントを利用しますが、プロ家庭教師の場合には、複数のプロ家庭教師センターに登録することで自分の市場価値が見えてきます。
- A社では最低ランクの時給だった…
- B社の方が高めに評価してもらえているな
というように、たくさんいるプロ家庭教師の中で、自分がどういうポジションにいるのかがわかりやすいでしょう。
中には具体的にアドバイスしてくれる家庭教師会社もあります。
国語だけでなく、算数も指導できるようにした方が、紹介案件が増えますよ。
駅チカ案件ばかりじゃないので、車があった方が便利ですよ。
自分のポジションや市場価値を理解することで、今後のキャリア戦略も立てやすくなるでしょう。
学びの場を増やせる
家庭教師会社を利用することで、自分の市場価値がわかると書きましたが、市場価値を上げていくこともできます。
プロ家庭教師として独立すると、情報過疎になってしまいがちです。
会社に勤めていると、同僚が最新の情報を教えてくれたり、上司がアドバイスしてくれたりすることができます。
でも、フリーランスとして活動すると、自分から情報を取りにいかなければ誰も教えてはくれません。
「独立」が「孤立」になったらイヤやん
ですので、「学びの場」を確保しておくことは大切です。
そのため、塾・予備校講師の仕事を掛け持ちしているプロ家庭教師もいます。
塾・予備校で学んだ情報・スキルを、プロ家庭教師の仕事でも活かすことができます。
他のプロ講師とつながりができる、家庭教師センターや個別指導塾もあります。
独立して、独りよがりな授業にならないように気を付けたいものです…
知識やテクニックが増えて、指導経験・合格実績が認められると、講師ランクや報酬を上げてくれる会社もあります。
市場価値を上げていくためにも、「学びの場」を確保して、自分をアップデートすることは大切ですね。
「リスク分散」のデメリット
一方、いくつかの家庭教師センターに登録して、リスク分散するデメリットは何なのでしょう?
リスクを分散するデメリットは…
- 事務処理が複雑になる
- 1社にコミットできない
- 顔出し・実名で営業しにくい
の3点です。
1つ1つ見ておきましょう。
事務処理が複雑になる
家庭教師センターが指導内容をチェックするために、家庭教師は指導の報告をしなければなりません。
指導報告の方法は、会社によって異なります。
月末にまとめて提出すればいい会社もあれば、毎回指導終わりに報告しないといけない会社もあります。
ざっくり書けばいい会社もあれば、細かく書かなければならない会社もあります。
さすがに最近はオンラインで指導報告を済ますことができる会社が増えてきましたが、少し前までは手書きで報告書を出さなければならない会社もありました。
保護者への報告の意味も、もちろんあります
報告の仕方が会社によって違うので、複数の会社から案件を請け負っていると、慣れるまでは戸惑うことも多いでしょう。
また、口座に振り込まれた報酬が正確かどうかも、会社ごとにチェックする必要があります。
確定申告の際にも、収入の処理の数が増えてしまいます。
リスク分散することによって、事務処理も分散してしまい、手間が増えることは覚悟しておかなければなりません。
1社にコミットできない
会社員ではない個人事業主・フリーランスには、賞与(ボーナス)は支払われません。
でも、家庭教師センターによっては、貢献度によってインセンティブが支払われることがあります。
- 月25時間以上指導でインセンティブ支給
- 最難関校3名合格で特別ボーナス支給
といった具合ですね。
会社側はインセンティブを支払うことで、自営業のプロ家庭教師のモチベーションを上げ、その会社にコミットしてもらいたいわけです。
なかには、その会社「専属」のプロ家庭教師もいます。
でも、複数の会社から案件を請け負っていると、1社だけに貢献することが難しくなります。
もったいない気がするな
ですので、じょじょに取引する会社をしぼっていってもいいでしょう。
もちろんはじめはどの会社が自分に合っているのかわからないので、複数の家庭教師センターに登録しておく方が無難です。
ただ、だんだんと会社との相性が見えてきたら、リスク分散しつつも、相性の良い会社にコミットするのもありですね。
会社への貢献度がアップすることで、自分の待遇も良くなれば、Win-Winの関係を築くことができます。
顔出し・実名で営業しにくい
ときどき家庭教師センターから「ホームページで名前や写真、プロフィールを載せてもいいでしすか?」と聞かれることがあります。
でも、複数の会社と取引していると、顔出しはできません…
同じ先生でもA社とB社で料金が違うと、家庭教師会社としては困りますよね。
実名でネット検索する子や保護者もいるかもな
また、個人でホームページやSNSで営業をするときにも、顔出し・実名出しできません。
A社よりも安い値段で個人契約されると、A社としてはやはり困ります。
匿名や顔出しナシでウェブサイト・SNSを運営すると、うさんくさくなってしまいます。
名前と顔がわかっている家庭教師の方が、保護者も信用して問合せしやすいでしょう。
私の「藤川ひかる」という名もハンドルネームです
まとめ:プロ家庭教師のキャリア戦略!生き残っていくコツ
プロ家庭教師のキャリア戦略のコツとして「リスク分散」を紹介しました。
いくつかの家庭教師センターに登録したり、個人営業をしたりすることで、リスクの分散が図れます。
ただ、リスク分散にはメリットもあれば、デメリットもあります。
プロ家庭教師として駆け出しの頃は、どんな会社が自分に合っているのかがわからないので、いったんいろんな会社と取引しておくといいでしょう。
だんだんと自分と家庭教師会社との相性がわかってきたら、会社をしぼりこんでコミットするといいでしょう。
あくまで自営業のプロ家庭教師と、家庭教師会社は「取引相手」です。
お互いにWin-Winな関係を続けられる会社を見つけ、プロ家庭教師としてのキャリアを築いていきましょう!
プロ家庭教師としての生き残っていく方法は、拙著『プロ家庭教師として生きていく方法』でも紹介しています↓
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